1932年10月23日
Dornier Do.J Wal
HUMA model 1/72Dornier Do.J Wal


第1次大戦後 敗戦国ドイツはベルサイユ条約の為、航空生産活動は禁止

そこで、代理出産ではないのですが この飛行機はイタリアで生まれました。

イタリアではCMASA社の他に あのPiaggio社でも生産されている!
 スペインのCASA社、オランダのAviolanda社、もちろん ドイツのDormier社
日本の川崎造船(当時)でもノックダウン?生産されているそうです。
総勢300機もの機体が生産され15カ国で使用されたそうです。

艇体は全金属、翼は中央翼以外羽布張り
補助フロートを持たず 胴体から張り出したスポソン形式としてます。
このタイプはDO.Xはもとよりボーイングのチャイナクリッパーまで採用していますね。


この飛行機で 何より面白いのが 大洋航路での運用・・・・。

航空機の航続距離は 長くなればなるほど 機体重量の殆どが燃料になってしまいます。
そこで 編み出されたのが 洋上に補給ポイントを置いて そのポイントを伝って行けば
積載荷物の占める割合を増やせる・・・・つまり お金になる

・・・・と ここまでは誰しも考える事

しかし 如何せん海は広いとは言え補給後の身重の体を海から空に浮き上げるには
大量の燃料を消費するし 外洋ですから海面の制限もありましょう・・・。
そこで 着水した飛行機を クレーンで吊り上げ船に乗せて補給や整備を行い

 なんと カタパルトで ドッカーーーンと打ち出してしまう!

すごいこと考えるものですね!
 蒸気なのか火薬なのかは知りませんが5.7tonもあるこの飛行艇を打ち出す・・・

後継機のDo18やDo.26でも同じ運用をされてますね!

グライダーでウィンチ曳航された経験者ならわかるかなぁ・・・
その何倍もの力がかかるのでしょうから『飛行機初めて』の人が乗ったら(^^;;;;


写真のD−2053は Wolfgang von Gronau氏の世界一周に使用した機体

この時は日本にも立ち寄っているそうです。

1932年7月21日 ドイツとデンマークの国境にあるListという街の
入り江からスタートして西周りで アイスランド グリーンランド カナダ
アメリカ アリューシャンを経由してカムチャッカ 根室 ・・・
後は下記をクリック
http://de.wikipedia.org/wiki/Wolfgang_von_Gronau
10月23日に無事Listに帰り着きました。


他にも Do.Jの初飛行が1924年10月6日だそうですから、その
翌年1925年、冒険家アムンゼン一行が北極点に到達する為にも
N−25,N−24の機体番号を持つ2機を使用しています。
 世界で最初に 北極点に最も近いところに着陸?した記録が残っています。

1927年3月17日にはSarmento de Beires氏とそのクルーは
『Argos』と命名された機体によりギニアからブラジルに初の夜間
飛行に成功しています。





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2009年5月10日新生
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