1933年 4月3日
Westland PV3 Wallaces
初のエベレスト山越え飛行に成功。

NOVO 1/72(旧FROG 1/72)Westland PV6 Wallaces改造


ウエストランド社
現在の イギリスにおける もっとも有名なヘリコプターメーカー。

でもね「ベル」や「シコルスキー」もそうだった様に
この会社も 昔は 固定翼を作っていたのです。

私も ふとした きっかけで この飛行機も知りました。

ライト兄弟が飛んで 30年 航空機は目覚しく発展していました

自由に・・遠くへ・・・しかも早く・・・・
しかし まだそれは「未知との遭遇」の繰り返しであり
「冒険」の冠が光り輝く時代であったのかもしれません

例えば

行く手には 越えねばならぬ山が在った
高度が取れなければ 迂回しなければならない

越えるには 魔物が住むと云われ 戦わなければ ならなかった・・・

英国殖民地だったインド と 清の国(今で言う中国)
その間に 地球上でもっとも高い処 それはありました

「世界の屋根」・・・そう ヒマラヤ 7000m級の山々

魔物は 高度を上がれば上がるほど 大挙してやってきた

温度を奪い 意識を朦朧とさせ エンジンのパワーを奪い 機を不安定に

そこが山になると  変わりやすい天候と 風の悪戯が・・・


未だ誰も挑戦していない

「世界一高い山を 真上から調査する」
世界一高い山を越える事とは いろいろ やらなければならない

そこには

「飛行機に対する環境を科学すること」



「高高度での 航空写真技術の挑戦」

も、含まれていました。

時に イギリスはロイヤル・アーミー・フライング・コープで 
インド軍のオフィーサーでもあった スチュワート・ブラッカー大佐
彼の立案で エヴェレスト遠征隊が編成される。
(エヴェレストを発見した?ヴァレンタイン・ブラッカー大佐は彼の祖先である)

1932年から 国際外交も含めた下準備が始まりました。

機体はウエストランド社から 後のPV5原型PV3の提供を受ける事になります。

高高度に上がる為 エンジンは
ブリストル・ペガサスS3のスーパーチャージド・エンジンが採用された。

機体の床には垂直撮影用カメラがマウントされ、
それと P−14と言う携帯型カメラが搭載されました。
当時のカメラも 当然低温に弱い為
後部席のみ 暖房装置が付いた 密閉キャビンとなりました

・・・操縦席のパイロットは吹きさらしです(^^;;

遠征費用は公金と多くのスポンサーで成り立っていました。
その最たるスポンサーは シュナイダーカップにも資金提供している
レディー・ヒューストン(海運王ロバート・ヒューストン卿婦人)です。

「タイムズ」社とも 情報チャンネルとして独占契約することで
カメラを含む出資と 特別の特派員が派遣されました。

1933年2月 2機のPV3を含む遠征隊はインドに向います。

カルカッタの北 プルネアの部隊で 広範囲なトレーニングを行い
エヴェレストへの訓練と準備が なされました。

そして 実際に飛行する 要員が選ばれます。
パイロットは 空軍少佐クライズデール卿
空軍大尉デービット・マッキンテリー
観測者はブラッカー大佐 と R.S.ボネット氏

そして4月3日0825時2機のPV3が離陸しました

此処から先は 下記のH.Pを見てください。

The OldRadleian Online 2001より 「Wings Over Everest

さて キットですが
ご存知 英国は 旧FROG社 の製品
NOVO社が型を買い取り PV6として再生産販売していたモノ

もともとFROGと云うメーカー
歴史的な飛行機を きちんとした形で製品化していた・・

商売としては 非常に採算が合わない可能性が高い事も事実

実際 ハセガワでもOEMで提供されていた様ですが・・・

しかし

飛行機の歴史 と考えた時に 
この リーズナブルな価格帯で製品化したこと自体
 すごい事だと思います。                  


資料が あまり入手できませんでしたので それなりに・・・


デカールはありませんので 「むかしなつかし」のレタリングシートを

G-ACAZへの 主な変更点は 主脚と 内側翼支柱です。

この「ヒューストン・エベレスト遠征隊」のPV3は脚間がPV6より広く
その主脚取り付け位置は 胴体ではなく 主翼になってます。   
主翼の取付け位置には 翼間の支柱が逆N字に付いています。  
図や写真を見ながら スクラッチして位置決めして見ました。     

胴体は そのままPV3の仕様になってますが エンジンからの
排気管はエンジン前方のリングに繋がってます。        
そこから後方に 排気管が長く伸びています。          

エンジンの後方 胴体上面には エアインテークが付いています。
これは 気化器への入口か・・・?

胴体側面にはコックピット後ろにエレヴェーター・ホーンが
飛び出し後部胴体中央付近から エレヴェーターに・・・・

イギリスでは 実機をもう一度復刻して エベレストに挑戦しようと
言う プロジェクトがあるとか・・・壮大なロマンを感じませんか?



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2007年11月25日改定
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